職員の定着率を上げるには?「職場の空気」が与える影響とは
- ほいくサポ

- 8月20日
- 読了時間: 3分
はじめに
保育の現場で「人が辞めてしまう理由」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
給料? 勤務時間? それとも人間関係?
もちろん、どれも大切です。
でも、実際に定着率を上げようと試行錯誤してきた私の経験から言えるのは――
職場の「空気」こそが、人をつなぎとめる最も大きな要因だということです。
今回は、その「空気」がなぜ定着率に影響を与えるのか、そしてどんな工夫で改善できるのかを、実体験を交えながらお伝えします。

「空気がいい」とはどういうことか?
私が考える「空気のいい職場」とは、こんな場所です。
・出勤してまず、明るい「おはようございます」が飛び交う
・少しミスしても、「大丈夫ですよ」とフォローしてくれる
・仕事中の何気ない一言に笑顔が返ってくる
逆に、空気が重い職場では…
・挨拶しても返事がない、もしくは小さな声だけ
・常に誰かが誰かの動きを監視しているような雰囲気
・相談しにくい、話しかけづらい
そんな「目に見えない空気」が、じわじわと職員の心を消耗させていきます。
「定着率の改善」は空気づくりから始まった
私が以前働いていた園では、着任した直後のタイミングで9人もの職員が一斉に退職しました。
最初は「制度や待遇が理由なのでは?」と思いましたが、面談や観察を重ねるうちに見えてきたのは、「人間関係のしんどさ」と「雰囲気の冷たさ」でした。
そこで私は、制度をいじる前にまず“空気”を変えることから始めました。
具体的には:
・朝の挨拶を管理職から元気にする
・朝礼のなかで「お互いを知る時間」を設ける
・声をかけるときは、できるだけ笑顔と柔らかい口調で
・上司が、話すときは相手の目を見て、うなずいて聴く
一つひとつは些細なことですが、数週間後には職場の空気が確実に変わってきました。
制度よりも「空気」が定着率を左右する理由
いくら時給を上げても、いくらシフト希望に応じても、「なんとなく居心地が悪い」職場では、人は離れていきます。
反対に、多少忙しくても「ここは安心して働ける」と感じられる職場には、人が自然と残っていきます。
定着率を上げたいと思ったとき、まず取り組んでほしいのは制度や仕組みではなく、「今、うちの園の空気ってどうだろう?」と見つめ直すこと。
空気はすぐには変わりませんが、日々の関わりや積み重ねで、必ず変えていけるものです。
おわりに
職員の定着率を上げるには、目に見える数字や制度だけでなく、「目に見えない空気」へのアプローチが不可欠です。
あなたの園では、今日も気持ちのいい「おはようございます」が響いていますか?
まずはそこから見直してみませんか。

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