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保育士の働き方改革はどこまで進んだ?現場で見えたリアルな課題と希望

はじめに

「保育士の働き方改革」――この言葉をニュースや行政の資料で見かけるようになって久しいですが、現場でその変化を実感している方はどれくらいいるでしょうか。


今回は、実際に現場を見てきた立場として、制度と現実のギャップ、そして改善の兆しについて、リアルな声をもとに考えてみたいと思います。

保育士の働き方改革

保育士の働き方改革は本当に進んでいるのか?


国や自治体はここ数年、保育士の負担軽減や処遇改善に取り組んできました。

例えば「ノンコンタクトタイムの導入」「ICT化による書類削減」「処遇改善手当の拡充」など──確かに制度的には前進しています。


しかし、現場の保育士から聞こえてくる声はこうです。


・「ICTは導入されたけど、結局紙も併用してる」


・「ノンコンタクトタイムがあっても、結局行事準備で潰れる」


・「事務仕事は減ったけど、子どもとの関わりは逆に増えてる」


制度はある、でも仕組みと意識が追いついていない。これが多くの園での現実です。



制度と現実のギャップが生まれる理由


そもそも「働き方改革」とは、時間を削減することだけが目的ではありません

むしろ「持続可能な働き方=保育を楽しみながら続けられること」が本質です。


でも現場では、以下のような課題があります。


・園長や主任が“気合と根性”の時代に育ってきた


・人手が足りず、誰かが我慢しないと回らない


・保護者や社会からの期待が年々高くなっている


これでは「制度だけ整っても現場は変わらない」のは当然かもしれません。



それでも希望はある:小さな変化が生まれている現場も


とはいえ、すべてがネガティブなわけではありません。

現場で小さな希望の芽が育ち始めている園もあります。


・ICTでの連絡帳・お知らせ管理が定着し、時間短縮につながった


・書類業務がGoogleフォームに切り替わり、記録がラクになった


・保育中にお互い声をかけてノンコンタクトタイムを守る文化が育った


こうした園に共通しているのは、「制度の導入」だけでなく、現場の声に耳を傾け、仕組みを“運用”に落とし込んでいるということです。



保育士一人ひとりが「働き方改革の担い手」になる時代


本当の改革は、トップダウンだけでは実現しません。

むしろ、日々の保育に向き合う保育士一人ひとりが「もっとこうなったらいいのに」と感じたことを言葉にして届けることが、改革の一歩です。


もちろん、すぐにすべてが変わるわけではありません。

でも、“保育が好き”という気持ちを守るために、現場の中から小さな変化を積み重ねていくことこそが、今もっとも求められているのではないでしょうか。



おわりに


「働き方改革」という言葉に違和感や距離を感じている方も多いかもしれません。

それでも、今の保育を変えていけるのは、私たち現場にいる人間だけです。


制度を活かすのも、無駄にしてしまうのも、運用次第。

まずは、自分の働き方に目を向けることから始めてみませんか?

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