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離職理由とは?若手の先生が“想定外”に辞める本音と定着のヒント

はじめに


保育の現場でよく耳にする言葉の一つが「離職理由」です。

人間関係や給与面といった一般的なイメージを持たれる方も多いかもしれません。

しかし、実際に若手の先生と面談を重ねる中で見えてきたのは、必ずしも想定通りの理由ばかりではないという現実でした。


この記事では、私が管理職として経験した“想定外の離職理由”を出発点に、どのように向き合い、どうすれば定着率につなげられるのかを考えていきます。

離職理由

離職理由は職場環境だけではない


「どうして辞めたいの?」——。

若手の先生に面談でそう尋ねたとき、返ってきた答えに驚かされたことがあります。


私が想定していたのは「人間関係がつらい」「残業が多い」といった典型的な離職理由でした。

しかし、実際に聞いてみると——


「最初から公立を受けるつもりでした」


「一度は他業界を経験してみたくて」


といった、“想定外”の離職理由が少なくなかったのです。



面談で離職理由を本音で聞き出す工夫


若手の先生の本音は、ただ「どうしたい?」と聞いただけでは出てこないことが多いです。

私は「もしあなたが園長だったら、何を一番に変えたい?」と問いかけるようにしました。

すると、思ってもみなかった率直な意見や悩みが返ってくるのです。


また、雑談のような日常会話の中で「最近どう?」と気軽に聞くことも、本音を引き出す大切な場になります。



離職理由に向き合うときに大切なこと


制度の改善や処遇の向上も重要ですが、それ以上に大切なのは「気持ちに寄り添う姿勢」です。

「辞めたい」と打ち明けられたとき、まずは「そう思うようになった理由を教えて」と受け止めること。

たとえその先生が最終的に辞めることになっても、誠実に向き合う姿勢は他の職員に伝わり、「信頼できる園だ」と感じてもらえるのです。


離職理由から学べる定着のヒント


・離職理由は予想外のケースも多いと理解する


・面談や日常会話で本音を引き出す工夫をする


・引き止めではなく、まず受け止める姿勢を大切にする


最後に


若手の先生の離職理由は、管理職が想定しているものとは違う場合が少なくありません。

「人間関係がつらい」「残業が多い」だけでなく、「公立を受けたかった」「他業界を経験したい」といった、人生の選択に関わる本音が隠れていることもあります。


だからこそ、辞めること自体を防ごうとするのではなく、まずは「どうしてそう思うのか」を丁寧に聞き出すことが大切です。

本音を受け止める姿勢が信頼につながり、その信頼が「ここで働き続けたい」という気持ちを育てます。


離職理由は単なる“問題”ではなく、職場をより良くするためのヒント。

管理職にできることは、制度の整備と同じくらい、一人ひとりとの対話を大切にすることだと、私は実体験を通じて強く感じています。

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