保育の紙仕事、まだ続けますか?子どもと向き合う時間を増やすために見直したい仕事3選
- ほいくサポ

- 2 日前
- 読了時間: 6分

「毎年この方法でやっているから」
そんな理由で続いている仕事は、保育現場に意外と多くあります。
その代表例が、紙を使った連絡や集計です。
もちろん、紙には紙の良さがあります。手元に残せる、掲示できる、スマートフォンの操作に慣れていない家庭にも届けやすい。だから、紙を使うこと自体が悪いわけではありません。
ただし、一度立ち止まって考えてほしいことがあります。
その仕事は、本当に紙でなければできないでしょうか?
紙で行うと、「作る」以外にも、印刷、仕分け、配布、回収、確認、入力といった作業が発生します。一つひとつは数分でも、全クラス、全家庭、毎月のこととなれば、先生たちの大切な時間を少しずつ奪っていきます。
今回は、保育園・幼稚園・認定こども園で、今こそ見直したい紙の仕事を3つ紹介します。
目指すのは、紙をゼロにすることではありません。
先生の時間を、子どもと向き合う時間へ戻すことです。
1.お便り・園だよりを全家庭へ紙で配る
お便りや園だよりは、作成したら終わりではありません。
必要な枚数を印刷する
クラスごと、家庭ごとに仕分ける
子どものカバンや連絡袋に入れる
欠席した家庭の分を保管する
入れ忘れや紛失の問い合わせに対応する
ここまでが、毎回ひとまとまりの仕事です。
本来の目的は、園からの情報を保護者へ確実に伝えること。しかし、紙で配ることが当たり前になると、いつの間にか「印刷してカバンへ入れること」が仕事の中心になってしまいます。
今の保護者は、仕事の休憩中や送迎の合間にスマートフォンで連絡を確認する家庭も少なくありません。紙を受け取っても、帰宅後にカバンから出すまで見られないこともあります。
「紙の方が安心」という考えを否定する必要はありません。一方で、スマートフォンで確認できる方が便利な家庭が増えていることも、園として考えておきたい変化です。
全家庭に同じ方法を押しつけるのではなく、基本はデジタルで配信し、希望する家庭には紙で渡す方法もあります。
大切なのは、紙かデジタルかの勝ち負けではなく、今の保護者にとって、どの方法が最も届きやすいかです。
2.行事の出欠を紙で回収する
運動会、発表会、保育参観、懇談会。行事のたびに出欠確認の用紙を配っている園も多いでしょう。
紙で出欠を確認すると、次のような作業が発生します。
用紙を印刷して配る
提出された用紙を回収する
未提出の家庭を確認する
個別に提出をお願いする
回答を一覧表へ転記する
変更の連絡があれば一覧を修正する
確認したいことは、「参加するか、参加しないか」というシンプルな情報です。それにもかかわらず、紙を使うことで多くの管理作業が生まれています。
先生たちが時間を使いたいのは、提出された紙を数えることではありません。子どもたちが安心して参加できるように計画を立て、会場や役割を整え、当日の姿を想像しながら準備することのはずです。
見直したいのは、出欠確認そのものではなく、出欠を確認するまでのやり方です。
行事の出欠は回答項目が少なく、対象期間も決まっているため、紙仕事の見直しを始める題材として適しています。
3.保護者アンケートを紙で集計する
行事後の感想や園の自己評価など、保護者アンケートを実施する機会もあります。
しかし、紙のアンケートでは、回答を集めた後にも仕事が続きます。
アンケート用紙を印刷して配る
回収状況を確認する
選択式の回答を数える
自由記述を入力する
表やグラフにまとめる
特に大変なのが、集計のための手入力です。文字や数字を一つずつ入力する作業には時間がかかり、入力間違いにも注意しなければなりません。
けれども、アンケートで本当に大切なのは、回答を入力することではありません。
保護者の声から園の良さや課題を見つけ、次の保育や園運営にどう生かすかを考えることです。
集計はゴールではなく、改善を考えるための準備にすぎません。自動で集計できる方法に変えれば、先生や管理職は「数字を作る時間」ではなく、数字や言葉の意味を考える時間に力を使えます。
「紙をなくすこと」を目的にしない
ここで気をつけたいのは、「明日から紙を全部やめよう」と急に進めないことです。
家庭によっては、紙の方が確認しやすい場合があります。デジタル機器の操作が苦手な方や、通信環境に事情がある方への配慮も必要です。また、園内での保存方法や個人情報の扱いについても、事前に確認しなければなりません。
業務改善で大切なのは、方法を一斉に変えることではなく、仕事の目的を確かめることです。
この紙は何のために使っているのか
紙だから発生している作業はないか
今の保護者の生活に合った届け方か
方法を変えることで、誰かが困らないか
減らした時間を、どこへ使いたいか
この5つを職員間で確認すると、「残した方がよい紙」と「別の方法へ変えられる紙」を分けやすくなります。
昔から続いてきた方法には、その時代に合った理由がありました。大切なのは、過去の方法を否定することではなく、今の家庭や職員の働き方に合わせて、もう一度選び直すことです。
最初に見直すなら、行事の出欠確認から
紙仕事を見直すなら、まずは一つの行事で出欠確認の方法を変えてみるのがおすすめです。
お便りを一斉に切り替えるより範囲が小さく、回答も「出席・欠席」などに絞りやすいため、試しやすいからです。
実施後は、次の点を確認します。
配布や集計にかかった時間は減ったか
未回答の家庭を確認しやすかったか
保護者から困ったという声はなかったか
先生たちの負担はどう変わったか
うまくいけば次の行事でも続け、難しい点があれば方法を調整する。それで十分です。
業務改善は、大きなシステムを入れた瞬間に完成するものではありません。現場に合う形を、小さく試しながらつくっていくものです。
まとめ|減らした時間を、子どもと向き合う時間へ
今回紹介した、見直したい紙の仕事は次の3つです。
お便り・園だよりを全家庭へ紙で配る
行事の出欠を紙で回収する
保護者アンケートを紙で集計する
仕事を減らすことは、手を抜くことではありません。
印刷、仕分け、回収、転記に使っていた時間を、子どもの姿を振り返る時間、職員同士で話し合う時間、保護者の声に向き合う時間へ変えることです。
保育は、子どものため。
業務改善は、先生のため。
そして、その先には保護者の安心があります。
まずは園にある紙を一枚手に取り、「この紙は、本当にこの方法が一番いいだろうか」と考えてみてください。
その小さな問いかけが、先生の時間を保育へ戻す第一歩になります。




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