保育士の給料が安い理由とは?国家資格なのになぜ…
- ほいくサポ
- 2024年5月13日
- 読了時間: 3分
更新日:7月9日
「保育士って国家資格なのに、なんでこんなに給料が安いの?」そんな率直な質問を受けたことがあります。
この業界で実際に働いてみてわかったこと、そして私自身が感じたことを、今日は少しお話ししてみようと思います。

難関資格=高収入とは限らない?
国家資格と聞くと、医師や弁護士、公認会計士、弁理士などを思い浮かべる方が多いでしょう。確かに、これらの資格は取得までに何年も勉強が必要で、合格率も低く、それに見合った報酬がある職業です(医師は合格率90%と高めですが、そこに至るまでが大変)。
一方で、世の中には一日勉強して取れる国家資格も存在します。たとえば、職場で必要になり、第二種衛生管理者を受験したことがあるんです。前日にちょっと勉強して本番へ挑み――1点足りずに不合格。
合格してないんかい!
はい、悔しかったです…。でも数か月後にはしっかりリベンジして、今では立派な衛生管理者です。
ちなみにこの資格、企業によっては手当がつきますが、数千円程度。資格=高収入、とは限らないのです。
保育士資格の難易度と世間のイメージ
保育士資格も、実はなかなか大変。専門学校、短大、大学に通って取得するルートもあれば、自力で試験に挑む方法もあります。この試験、範囲がとにかく広くて、合格率はおよそ20%。かなり難しい部類に入ります。
でも世間では「学校で取るもの」という印象が強いのか、試験の難易度はあまり注目されていない気がします。
女性が多い職場ゆえの構造的な要因も
もうひとつの要因として、女性が多い職場であることも影響しているのではないかと感じています。
結婚や出産、パートナーの転勤など、退職につながるライフイベントが多く、雇用側からすれば人材投資に慎重になるのも無理はありません。
一昔前は、産休や育休が今ほど当たり前ではなく、「産後1か月で復帰していた」なんて話も聞きます。それを聞いたベテランからの「今の若い子は恵まれてるよね」的な一言…。なんとも言えない気持ちになりますよね
。
“主婦の副業”という認識も影響していた?
かつては「夫の収入で生活できるから、保育士の給料が低くてもOK」といった認識もあったように感じます。いわば「パート以上、正社員未満」とでも言うような立ち位置。
もし保育の現場が男性中心だったら、「この給料じゃやっていけない!」という声が上がって、もっと早く待遇改善が進んでいたかもしれません。
…とはいえ、全員男性の保育園って、それはそれでちょっと怖い気もしますが(笑)。
制度的な背景もあるけれど…
もちろん、公定価格や補助金の割合といった制度面の影響もあります。でも、私がこの業界で働いて実際に感じたのは、上に挙げたような社会的背景や文化的要因の方が大きかったように思います。
こういった話をすると、意外と納得してもらえることも多いです。
保育士の給料が安い理由
保育士の給料が安い理由には、制度の仕組みだけでなく、社会の価値観や文化的な背景が深く関係しています。
「子どもを育てる」大切な仕事なのに、その重要性が給与に反映されにくい現状。少しずつでも、こうした意識が変わっていけばいいなと願っています。
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