「保育士の給料が上がらないのは園のせい?」実は誤解されやすい本当の理由
- ほいくサポ
- 5 日前
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「保育士の給料、全然上がらない…」現場でよく聞かれる言葉ですが、本当に“園だけ”が原因なのでしょうか?
実は、給料が上がりにくく感じる背景には、税金や社会保険料の負担増といった“社会全体の仕組み”が大きく関係しています。今回は、「園のせい」では語りきれない、保育士の給料にまつわる現実を、やさしく丁寧に解説します。

なぜ保育士は「給料が上がらない」と感じるのか?
「ここ数年、給料がほとんど上がっていない」「園がもっとしっかりしていれば…」そんな声を現場でよく耳にします。けれども、それは本当に“園の努力不足”が原因なのでしょうか?
実は、私たちが「給料が上がらない」と感じる背景には、社会全体の構造的な変化があるのです。
税金や社会保険料が増えているという事実
まず見落としがちなのが、手取り額の減少です。
保育士の給料が「額面」では少しずつ上がっていたとしても、手取りは増えていない、むしろ減っているというケースもあります。
その主な原因は:
健康保険料・年金保険料の上昇
所得税・住民税の累積負担
物価の上昇と消費税負担
つまり、「頑張っても給料が増えた気がしない」のは、園が給料を上げていないからではなく、引かれるお金が増えているからという一面があるのです。
園の努力だけでは限界がある理由
もちろん、園が処遇改善を頑張っていない場合もあります。ですが、多くの園では、処遇改善加算Ⅰ〜Ⅲを活用して賃金の引き上げを工夫しています。
とはいえ、それにも限界があります。
保育料が無償化され、園の自主財源は増えていない
加算は一時的なものであり、恒常的な昇給が難しい
人件費率が高いため、経営的に大きな増額は難しい
園が頑張っていても、社会制度の中でできることとできないことがあるのが現実です。
職員と園が「正しく理解し合うこと」が第一歩
ここで大切なのは、「もっと給料を上げてよ!」という対立構造ではなく、「なぜ上がりづらいのかを理解する」ことです。
経営者側が処遇改善や財務の仕組みをしっかり説明し、職員側も社会制度の仕組みを少しずつ知っていく。
そのお互いの歩み寄りと対話が、現場の信頼関係を築く鍵になります。
まとめ:保育士の給料問題を“対立”ではなく“対話”で解決するために
保育士の給料が上がりづらい背景には、園だけではどうにもならない社会的要因が存在します。「わかってもらえない」と嘆く前に、「伝わっていないかもしれない」と考えてみる。「園のせい」ではなく、「一緒にどうしていくか」。
そんな前向きな話し合いが、現場の空気も、保育の未来もきっと変えていきます。
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