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「保育士の給料が上がらないのは園のせい?」実は誤解されやすい本当の理由

「保育士の給料、全然上がらない…」現場でよく聞かれる言葉ですが、本当に“園だけ”が原因なのでしょうか?

実は、給料が上がりにくく感じる背景には、税金や社会保険料の負担増といった“社会全体の仕組み”が大きく関係しています。今回は、「園のせい」では語りきれない、保育士の給料にまつわる現実を、やさしく丁寧に解説します。

保育士の給料

なぜ保育士は「給料が上がらない」と感じるのか?


「ここ数年、給料がほとんど上がっていない」「園がもっとしっかりしていれば…」そんな声を現場でよく耳にします。けれども、それは本当に“園の努力不足”が原因なのでしょうか?

実は、私たちが「給料が上がらない」と感じる背景には、社会全体の構造的な変化があるのです。



税金や社会保険料が増えているという事実

まず見落としがちなのが、手取り額の減少です。

保育士の給料が「額面」では少しずつ上がっていたとしても、手取りは増えていない、むしろ減っているというケースもあります。


その主な原因は:

  • 健康保険料・年金保険料の上昇

  • 所得税・住民税の累積負担

  • 物価の上昇と消費税負担


つまり、「頑張っても給料が増えた気がしない」のは、園が給料を上げていないからではなく、引かれるお金が増えているからという一面があるのです。



園の努力だけでは限界がある理由

もちろん、園が処遇改善を頑張っていない場合もあります。ですが、多くの園では、処遇改善加算Ⅰ〜Ⅲを活用して賃金の引き上げを工夫しています。

とはいえ、それにも限界があります。


  • 保育料が無償化され、園の自主財源は増えていない

  • 加算は一時的なものであり、恒常的な昇給が難しい

  • 人件費率が高いため、経営的に大きな増額は難しい


園が頑張っていても、社会制度の中でできることとできないことがあるのが現実です。



職員と園が「正しく理解し合うこと」が第一歩

ここで大切なのは、「もっと給料を上げてよ!」という対立構造ではなく、「なぜ上がりづらいのかを理解する」ことです。

経営者側が処遇改善や財務の仕組みをしっかり説明し、職員側も社会制度の仕組みを少しずつ知っていく。

そのお互いの歩み寄りと対話が、現場の信頼関係を築く鍵になります。



まとめ:保育士の給料問題を“対立”ではなく“対話”で解決するために

保育士の給料が上がりづらい背景には、園だけではどうにもならない社会的要因が存在します。「わかってもらえない」と嘆く前に、「伝わっていないかもしれない」と考えてみる。「園のせい」ではなく、「一緒にどうしていくか」。

そんな前向きな話し合いが、現場の空気も、保育の未来もきっと変えていきます。

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