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保育士の工夫を園全体へ|会議を増やさず共有する3つの方法

20 時間前
読了時間: 5分
保育士の工夫を園全体へ。明るい保育室で情報共有する3人の保育士を描いた実写風のイメージ。会議を増やさない3つの共有方法。

「その声かけ、私も知りたかった」

 

子どもとの関わり方を同僚から聞いて、そう思うことはありませんか。同じ園で働いていても、隣のクラスの先生が何を見て、どう関わっているのかは、意外と見えないものです。

 

では、共有のために会議を増やすのか。記録用紙をもう一枚つくるのか。

 

それでは、良い保育のために始めたことが、先生の仕事を増やしてしまいます。

 

保育士の工夫を園全体に広げるなら、まずはすでにある打ち合わせや記録の中で、一つの場面を短く共有するところから。園長・主任の先生に向けて、明日から試せる3つの方法を提案します。

 

1.「うまくいった方法」だけでなく、子どもの姿を一緒に伝える

「選択肢を出したら、片づけてくれました」

 

この一言だけでは、別の先生が同じように試しても、うまくいかないかもしれません。年齢も、そのときの気持ちも、遊びの途中だったかどうかも違うからです。

 

例えば、共有する内容を次の3つに絞ってみます。以下は書き方を示すための例です。

 

  • 子どもの姿:積み木の続きをつくりたくて、片づけに移れなかった。

  • 試した関わり:「残しておきたいところはある?」と聞き、残す場所を一緒に決めた。

  • その後の様子:残す部分を選んでから、使わない積み木を片づけ始めた。

 

「この言葉が効く」という正解を集めるのではなく、子どもの姿に合わせて考えた過程を共有する。それなら、別のクラスでも「うちの子たちならどうだろう」と考えられます。

 

声かけの工夫そのものを知りたい方は、「保育士の工夫とは?現場で実践できる5つの関わり方」も参考にしてください。

 

2.新しい会議をつくらず、既存の打ち合わせで一人・一場面

共有の時間をつくるとき、最初から全員に発表を求める必要はありません。

 

まずは既存の打ち合わせの一部を使い、一人が一つの場面を話す。毎日ではなく、週に一度からでもよいと思います。保育中に無理に集まるのではなく、もともと職員が話せる時間の中で試します。

 

進め方の一例は、こんな形です。

 

  • 話す先生が「子どもの姿・試した関わり・その後」を短く伝える。

  • 聞いた先生は、分からなかった背景を一つ確かめる。

  • 最後に「自分のクラスなら、何を試せそうか」を一つ出す。

 

ここで主任や園長が気をつけたいのは、すぐに講評を始めないことです。「それより、この方法がいい」と結論を出す前に、「どうして、その関わりを選んだの?」と聞いてみる。

 

考えたことを聞いてもらえる時間なら、うまくいかなかった場面も出しやすくなります。「すごい実践を発表しなければ」と思わせないことが、続けるための出発点です。

 

時間が足りなければ、既存の報告事項に読み上げなくても伝わる内容がないかを見直します。新しい取り組みを足すときには、減らせる仕事も一緒に探したいところです。

 

3.記録は一か所に、まずは3項目だけ残す

話して終わりでは、休みだった先生や勤務時間の違う先生に届きません。一方で、詳しい報告書を毎回書くのも負担になります。

 

まずは園で使っている、職員が確認できる記録の中に、先ほどの3項目を短く残してみます。

 

  • 子どもの姿:

  • 試した関わり:

  • その後の様子・まだ迷っていること:

 

紙かデジタルかよりも、「どこを見ればよいか」が決まっていることが大切です。すでにある記録で足りるなら、同じ内容を別の用紙へ書き直す必要はありません。

 

私が副園長として勤務していた園では、Googleドキュメントで伝達事項をまとめ、出勤した職員が確認してから保育に入る運用をしていました。その経験で大切だと感じたのは、ツールの便利さだけでなく、誰が、いつ、どこを見るかを決めることでした。

 

今回提案している実践共有も、その考え方を生かしたものです。当時の運用については、職員同士の情報共有についての記事で紹介しています。

 

なお、日々の緊急の連絡は、週1回の実践共有まで待たず、園の決めた方法で速やかに伝えます。子どもや家庭の情報を記録するときも、園のルールに従い、必要な職員が確認できる場所で扱ってください。

 

まず2週間、一つのクラスで試してみる

最初から園全体のルールにせず、一つのクラスや小さなチームで試す方法をおすすめします。2週間ほど続けたら、次の3点を確かめてみてください。

 

  • 聞いた工夫を、子どもの姿に合わせて試す場面があったか。

  • 勤務時間の違う先生も、共有した内容を確認できたか。

  • 準備や記録のために、仕事が増えすぎていないか。

 

共有した件数を増やすことが目的ではありません。「あの先生なら、どう考えるだろう」と相談できたり、一人で悩んでいた場面を一緒に考えられたりすることに意味があります。

 

子どもへの関わり方を、全員同じにする必要もありません。そろえたいのは、目の前の子どもの姿を確かめながら考える姿勢です。

 

「共有しましょう」で止まっている園へ

職員に伝えても続かないときは、意欲だけの問題と決めつけず、共有する時間・場所・量が今の働き方に合っているかを見直してみてください。

 

ほいくサポでは、園の状況を伺いながら、業務改善や職場づくり、ICT活用を支援しています。

 

「会議はあるのに、保育の話をする余裕がない」「記録は増えたけれど、職員に届いていない」。そんな困りごとがあれば、今のやり方を整理するところからご相談ください。

 

 

お問い合わせには、「今、どんな方法で共有しているか」「どこで困っているか」を書いていただくと、状況を伝えやすくなります。子どもや保護者の個人名は不要です。

 

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